キャリアを大事にする夫婦にバトンタッチ育休がおすすめ

この記事では、夫婦で交互に育休を取得する「バトンタッチ育休」について、実際に取得した父親としての体験談を書いています。

私は2013年に1人目の子供で最初の育休を取得し、2人目、3人目のときに「バトンタッチ育休」を取りました。
一番の理由は、妻がキャリアを大切にしていて、早期に仕事に復帰する必要があったためです。

同じような理由でバトンタッチ育休を考えている方や、育休を取ろうと思っている父親の皆さんにぜひ読んでいただきたいです。
主に以下のような方には参考になるかと思います。

  • 夫婦で共働き
  • 奥さんが(様々な理由で)早期に仕事に復帰したいと思っている
  • バトンタッチ育休のメリット・デメリットや、父親視点での困ったことを知りたい

2022年4月から、男性の育休が取りやすくなるように法律が変わったこともあり、きっと今後はより男性の育休が増えていくだろうと思います。
これから取得する人たちに少しでも参考になればよいなと思っています。

育休のパターン

父親の育休にもパターンがあります。

一番多いのは、出産直後から妻と一緒に育休を取るパターン(ペア育休)だと思います。
出産直後は奥さんの身体に大きなダメージがあり、それをケアするという意味でも出産直後から育休を取るのは重要なことです。
私も1人目の子供はこのペア育休でした。

一方で、共働きの場合はバトンタッチ育休を取るという方法があります。
最初に妻が産休~育休を取得。次に夫が育休を取得し、妻は仕事に復帰します(同時に取得せず、取得時期をずらす)。
私は2人目・3人目はこのパターンで育休を取得しました。

以下の図は、例えば9月の半ばに子供が産まれる場合のバトンタッチ育休の期間のサンプルとなります。
育休期間サンプルスケジュール

育休の期間があまり重なっておらず、妻から夫にバトンが渡っているのが分かるかと思います。
(育休期間の考え方については後述します)。

バトンタッチ育休のメリット

バトンタッチ育休のメリットは以下です。

  • 妻が仕事を休む期間を短くできる
  • 夫婦ともに同じくらい育児・家事ができるようになるし、理解が深まる
  • 仕事を休んでいるのが片方なので、収入面の減少が少ない

妻が仕事を休む期間を短くできる

バトンタッチ育休にする大きなメリットは、妻が産休・育休で仕事を休む期間を短くできることです。
この「休む期間を短くしたい」と思う理由には大きく2つのパターンがあります。

1.仕事・キャリアを大事にしている

私の周りにも複数いるのですが、妻が仕事・キャリアを大事にしている場合です。
仕事が好きで、やりがいをもっている。キャリアアップや出世にも興味があるから、早く復帰したいと思っている。そんな女性も多いと思います。

このように、奥さんが「キャリアが途絶えてしまう」という危機感をもっている場合には、ブランクの期間を短くできることが大きなメリットになります。

2.職場の事情で早期復帰が必要

もう一つが「早く復帰しないと職場でポジションがなくなる」場合です。

例えば、私の妻が務めている会社は社員100人未満の会社でした。
大企業ではないので、社内に妻と同じ役割を担っている人はいませんでした。

この場合、あまりに長期間休んでしまうと、代わりの人を雇うので戻る場所がなくなってしまう、という切実な理由がありました。
そこでバトンタッチ育休でブランクの期間を短くし、さらに育休中も家で仕事のフォローを行うことでポジションを守ることができました。

もちろん、産休・育休中は会社側で人のやり繰りをしてフォローしてもらいたいところです。
ただ、実際問題としてそうもいかないことがあると思うので、その場合は早期復帰できることが大きなメリットになると思います。

夫婦ともに同じくらい育児・家事ができるようになるし、理解が深まる

バトンタッチ育休では、夫婦ともに1人で育休を取得している期間があります。
母親が仕事をしていて、父親が育休を取っている場合は、当然ながら育児・家事の主体は父親が担うことになるので、この期間で父親も一通りの育児・家事ができるようになります。

私も育休期間に食事の準備をしたことで、料理もできるようになりました。
凝った料理ではなく、「子供が好きなメニューをサッと準備できる」というスキルですが、かなり役に立っています。
(いまでも、週の半分は私が食事の準備をしています。)

もちろん、ペア育休でも育児・家事スキルは高まると思いますが、やはりバトンタッチで1人で育児・家事を担う方がスキル面でも成長するし、自信もつきます。
これは、その後の共働き生活でも大きな財産になるでしょう。
普段の生活でも育児・家事を分担できるのはもちろんですが、どちらかに出張が入ったとか、急に体調を崩してしまった、といった場合でも安心してもう一方に任せることができて、家庭生活の安定性が格段に高まります。
夫婦ともに「ワンオペ」でも子供との生活を回せるようになる(実際に生活した経験値が大幅に増える)ことが大きいです。

また、仕事をする側の視点、育児をする側の視点のどちらも持つことができ、夫婦の理解が深まるのも大きなメリットだと思います。

仕事を休んでいるのが片方なので、収入面で減少が少ない

こちらは、収入面でのメリットとなります。
育休中は、育児休業給付金がもらえますが、やはり仕事をしていたときよりは収入が減ることになります。

ペア育休を取ると、夫婦の両方の収入が減ることになるので、トータルではやはり減少幅が大きくなってしまいます。
バトンタッチ育休では、育休を取得している(収入が減っている)のは夫婦のどちらかで、片方は通常通り仕事をしているので、減少幅を抑えることができます。

バトンタッチ育休のデメリット

一方で、デメリットは以下と考えています。

  • 出産直後の妻のケアをする方法の検討が必要
  • ペア育休と比べると、1人で育児・家事を担当するので負担が大きい

出産直後の妻のケアをする方法の検討が必要

先述したように、出産直後は女性の身体は大きなダメージを受けていて、できれば1か月くらいはあまり動かない方が良いと言われています。

ペア育休であれば出産直後から育休を取ることが多いので問題ありませんが、
バトンタッチ型で育休を取る場合は、出産直後に妻に休んでもらう方法を別途考えないといけません。

方法としては以下の2つかと思います。
1.夫婦の親を頼る(里帰り出産など)
2.出産直後も父親が休業する

私の場合は両方で、出産直後(妻の退院後)は有給を取って1週間ほど休み、その後は自分の親に2週間ほど家に泊まり込みで助けてもらいました(妻の両親はまだ働いていたため)。

また、2022年10月からは、「産後パパ育休」制度が始まります。
こちらを利用すれば育休とは別に出産直後に4週間まで休業できます。また、以下の図のように複数回に分割して取得することもできます。

参考:厚生労働省パンフレット

会社との調整が必要ですが、素晴らしい制度なので活用することを検討してみてはいかがでしょうか。

1人で育児・家事を担当するので負担が大きい

もう一つのデメリットが、シンプルに「1人で育児・家事をするので大変」ということです。

特に子供が産まれた直後の時期は大変です。
ペア育休では夫婦で分担し、助け合ってこの期間を乗り切ることができますが、バトンタッチの場合は育休を取っているのは片方で、仕事中のパートナーに頼ることはできません。

大変だし、しんどいことも多いでしょう。
これを乗り切るために、父親も育休の期間に入る前から家事・育児がある程度はできる状態になっている必要があります。

私の場合はバトンタッチ型で取得したのは2・3人目の子供だったので、乗り切ることができました。
これは、やはり1人目の子供を育てていたので育児・家事ともにスキルがある程度身についていたのが大きかったです。
1人目からバトンタッチにする場合は、そのつもりで出産前から準備(家事のトレーニングなど)が必要かなと思います。

バトンタッチ育休を検討されている方へ

ここからは、育休の期間やバトンタッチで困ったことなど、具体的な内容となります。

育休の期間

まず、育休を取得する期間です。

共働きで妻がキャリアを大切にする場合は、0歳の4月から保育園に通わせることが多いかと思います。
育休は最大2年取れるのですが、(だいぶ入りやすくなっているとはいえ)首都圏では保育園に入るのはまだ激戦で、0歳4月が最も保育園に入りやすい、ということが最大の理由です。

このように0歳の4月から保育園に通わせる場合は、育休の期間は逆算して計算しやすいです。

以下の図は、例として9月の半ばに子供が産まれる場合のバトンタッチ育休の期間のサンプルとなります。
育休期間サンプルスケジュール

休業期間のスタートは、妻が産休に入るタイミングです。出産予定日の1.5か月前などが一般的でしょうか。出産後は、そのまま育休に入ります。

休業期間が終わる、つまりバトンタッチした夫が育休からの復帰するのは、4月末とすることが多いです。
これは、保育園に入る要件として「4月中に復帰すること」とされていることが多いためです。
また、復帰して少し仕事のリハビリをすれば、すぐにゴールデンウイークで休みに入るのも気持ち的にありがたい点です。

これでスタートとエンドが決まるので、あとは、いつからバトンタッチするかを決めるだけです。

夫婦で話し合いで決めるのが良いですが、平等にするならブランク期間が同じくらいになるのが良いかと思います。
図では、夫婦ともに5か月ずつのブランク期間になっています。
※育児休業給付金は、半年以上休むと給与の66%から50%に減額になるので、その意味でも半々くらいにするのが良いかと思います。

保育園を確保できるように注意

注意しないといけないのはどこの保育園にも入れずに、育休を延長しないといけなくなる場合です。
もしそうなってしまうと、後半に育休をとっている夫が延長するのが自然な形になるでしょう。

ただ父親の目線では、やはり延長するのはかなり厳しいかなと思います。
年度途中では保育園に入れないことも多く、延長期間がプラス1年と長期になってしまうことが想定されるからです。

対策としては、いわゆる「保活(保育園活動)」を頑張るしかありません。
認可保育園は抽選になるので、認可外の保育園などを確保できるように動きましょう。

困ったこと・大変だったこと

ここからは、実際に経験して困ったことやその対策を書いていきます。

ミルクを飲んでくれない

かなり困ることとして、子供がミルクを飲んでくれないことがあります。
特に、奥さんの育休中は母乳で育てていた場合、急にミルクになると拒否されることが多いかと思います。

我が家も、最初は母乳とミルクの混合で育てていましたが、だんだん哺乳瓶のゴムの乳首を嫌がってミルクを飲んでくれなくなりました。
バトンタッチ前もミルクに何度もトライしましたが、泣くばかり。
その状態でバトンタッチしたので、とても辛かったです。

これはもう頑張るしかありません。対策として私が実施したのは以下でした。

  • ミルクをスプーンであげてミルクの味に慣れさせる
  • 泣かれてもとにかく粘る(ほんとにお腹がすいたら飲んでくれるかもしれない)
  • なるべく離乳食を早めに進める

段々、母親がいなくてミルクしかないと悟ったのか、最初はごくわずかからでしたがミルクを飲み始めるようになりました。
少しでも飲み始めると、その後は短期間でミルクに慣れ、たくさん飲むようになりました。

また離乳食を早めに進めるようにしておいてバトンタッチ前に少しでもご飯を食べれるようにしておけば、栄養は取れるので少し安心できます。

ただ子供によって個人差があるので、同じ対策は有効でないかもしれません。トライ&エラーで工夫してください。

食事の準備など家事が大変

奥さんが復帰した後は父親が主夫の状態になります。
この間は可能であればご飯の準備も含めてを家事を全部担うのが良いと思います。

私も晩御飯は全部準備するようにしようと決心して、それを達成できました。

育休で達成できて一番良かったことは、毎日の夕食を準備できたこと

準備っていうのは何も全部作らないといけないわけではありません。
たまには「外食する」と決めるのでもいいし、惣菜を買ってくるのでもいいので、とにかく奥さんに晩御飯のことを考えさせずに食事を準備しておくのが大切だと思います。

食事の準備以外の家事についても、育休に入る前から実際に担当し、家事のやり方を含め夫婦ですり合わせを行っておくのが良いと思います。

慣らし保育

無事に保育園に入れた場合は、4月に入園して慣らし保育が始まります。
バトンタッチ育休の場合は、保育園の「慣らし保育」も父親の役割です。

私も慣らし保育を担当しましたが、父親が担っているのは我が家だけでした。つまり、周りはママばかり。

でも大丈夫です。保育園に通う家庭はほとんど共働きだから、ほかのお母さんたちも理解がありました(むしろ応援してくれる)。
先生も理解があるし、分からないことがあれば聞けば丁寧に教えてくれると思います。
私も入園前検診で戸惑っていたら、兄弟で通っていてやり方を熟知しているママに助けてもらいました。

最近は保育園の送迎も含めて父親が担当している家庭も増えているので、父親が慣らし保育を担当していても全く違和感はないと思います。

まとめ

バトンタッチ育休のメリット・デメリットと、実際に取得して経験した困ったことを説明しました。

  • 夫婦の仕事のブランク期間を短くできる
  • 1人で担当するので大変だが、乗り越えれば家事・育児スキルが大幅に高まる
  • 産後パパ育休の活用、保活やミルクの練習などバトンタッチのための準備が大切

奥さんが早期に仕事に復帰したいと思っている場合は、ぜひバトンタッチ育休も検討してください。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

男性の育休についてもっと知りたい方には以下の本がおすすめです。